本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
<< May 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 「最後の願い」光原百合 | main | 「峠」司馬遼太郎 >>
# 「ゲームの名は誘拐」東野圭吾
ゲームの名は誘拐
発売元: 光文社
価格: ¥ 620
発売日: 2005/06/14
売上ランキング: 4,821
posted with Socialtunes at 2005/10/23


高校の時に自分で書いてた小説を最近読み返した。
記事でもネタにしてるけど、こんなのも書いてた。

ある女子高生が誘拐される。しかし彼女は親が大嫌いで、
そして誘拐犯は若い男でなんだか情けない。いつのまにか誘拐を仕切るようになり、
身代金を二人でせしめようと画策、いつしか二人の間には恋愛感情が生まれるが、
親は冷酷で娘に金を出そうとしない。偽者の金をつかまされキレた娘、
まあいろいろとあって最終的には家に乗り込み、
「よくも贋金つかませてくれたな、もう家出してやる、金よこせ」と
キレまくって、すると義母が「そうよ私もお父さんはひどいと思ったわ」と
キレて、「身代金の半額をやるから自由に生きなさい」と小切手を切ってしまう。
そして女子高生と誘拐犯は手に手をとって駆け落ちし、めでたしめでたし。

・・つうか、あかんやろそれってオチなんだけど、
この話を読み返してて、ふと家に「ゲームの名は誘拐」があることに気付き、
「あ、東野さん私と同じようなネタ書いてる」と思ってしまったのだった。
なんて身の程知らずな。まあ、先に書いたのは私だけど、そういう問題じゃない。

そしてこれ読んで、当たり前のことだが「プロって凄い」と思いました。
陳謝します。どうも申し訳ありませんでした。
佐久間は広告業界のエリート社員。自動車会社の新車発表用に考えた企画を
葛城という副社長に却下され激怒。怒りのあまり家の前を通りかかったら
葛城家から出てくる若い女。あとをつけてみたらどうやら家出らしい。
樹理と名乗ったその女と話すうち、彼は徐々に「誘拐ゲーム」を思いつく・・

狂言誘拐を女と仕組み、まあ男と女の関係のようなことも生まれつつ、
妙な一体感を得ながら、作戦は遂行されていく。
なんだ私の書いたのと同じやん、ととんでもない誤解をしつつ読んでいくと、
中盤に全てを覆される。そりゃそうよね、そんな単純な話のわけがない。
私の期待はいいほうに裏切られた。いやあ、面白かったなあ。
まあ、怪しいなって思う部分もあったけど、結局見事に騙されてしまい、
なんか心地よかったかもしれない。

誘拐というからには身代金受け渡しとか、連絡方法とかネックになるわけだけど、
インターネットとかメールを最大限駆使して、そして受け渡しもわりと凝ってた。
しかしもっととんでもないことをやらかしてくれるのではないか、という期待は
悪いほうに裏切られた気がする。自分にも全く思いつかないくせに
作家に凄まじい期待をするのは悪い癖なんだけどさ、
東野さんだったら・・とつい思ってしまったんだけど。
つうか、メールはやばいんじゃないのかなあ。
どのサーバ使ってるかとかで個人を特定できたりしないですか?私は詳しくないけどさ。
まあ単行本発刊が2002年らしいから、コンピューター関係の常識は
今とは全然違うし。仕方ない部分かもしれない。

登場人物がまた、なんつうか、いい奴がおらんのが逆に小気味良かったな。
佐久間も樹理もなんかやな感じで、もちろん葛城もやな感じ。
でも、佐久間と樹理、仮面を被って生きてる佐久間、複雑な出生のため
ひねくれてる樹理、この二人が心通わせて本当の関係を作っていくのか?という
私の甘っちょろい予想も見事に裏切られました。ずーっとやな奴のまんまだったなー
それがなんかまた、小気味いいんですよね、変に。
人物像が浅いとか、そりゃ文句もつけられますけど、この小説では
全然気になりませんでした。だって、ゲームだもの。ありでしょ。

案外と楽しめて爽快だったな。もともと私もやな奴ですから、
騙し騙されるのは好きなのです。

解説は藤木直人さん。なんでこんな幼稚な文章?と思ったらこれ、
インタビューの聞き取りですね。失礼しました。なかなか面白く読みました。
映画「g@me」で彼が主演したのが縁らしいですが、
確かに佐久間駿介と彼のイメージはぴったり一致しますな。
やな奴やらせても彼はなかなか良いですから。
実はファンです。歌は歌わないで欲しいけど・・。
映画も観てみようかな。だいぶストーリーが人間くさくなってるようだが。

| comments(11) | trackbacks(12) | 03:17 | category: 作家別・は行(東野圭吾) |
コメント
ざれこさん作の誘拐モノの方が『ゲームの名は誘拐』より面白いかも。^^

>しかしもっととんでもないことをやらかしてくれるのではないか
私も持っていました、その期待を。
だから、「へ?ここでお仕舞い?」って感じでした。

藤木さんのファンなら、『宿命』もいいですよ。
佐久間以上にカッコいいと思いました。
ただ、『宿命』のあの役は誰がやってもカッコいいけど、『game.』は藤木さんだから良かった!って感じはあったかも。
| nemuri_neco | 2005/10/23 4:01 AM |

>ざれこさん作の誘拐モノの方が『ゲームの名は誘拐』より面白いかも。^^

わはは、とんでもない、えらい凄まじい文章ですよ(笑)
実はこの話、社長秘書(男)が暗躍してて、次期社長を目指してて娘に色目使ったりしてます。はてには社長を殺して誘拐犯に罪をかぶせようとするという。最初からそれがバレバレなのがまた笑えるんですが。
その絡みで、身代金受け渡し場所に行ったら何故か爆弾が仕掛けられてて二人で命からがら逃げたりしてます(笑)つうか普通死ぬで、みたいな。
だから感心したんですよね。書いたからわかりますけど難しいですよ、誘拐モノ(笑)

「宿命」ってDVDになってますよね。本上まなみに柏原崇でしたっけ、他のキャスティング。全員好きだなー。「g@me」と併せて是非観てみますね。
| ざれこ | 2005/10/23 4:17 AM |

シリウスです。こんばんわ。
いやぁ〜,ざれこさんの書いたシュールな話を是非読んでみたい(笑)

>実はファンです。歌は歌わないで欲しいけど・・。

ここもツボでした。同感でございます。。。

| シリウス | 2005/10/23 11:57 PM |

>シリウスさん
藤木直人氏の歌、には押尾学氏の歌、と同じようなつらいものを感じます。今は藤木氏は役者業で売れてるので、押尾氏みたいに歌手に専念するなどとは言わないっぽいですが、もう冗談抜きでそれは言わないで欲しい。頼むから。

と、熱弁をふるいました、ごめんなさい。

どうして役者って売れると歌っちゃうんでしょうね・・
| ざれこ | 2005/10/24 1:28 AM |

>どうして役者って売れると歌っちゃうんでしょうね
朝から笑った♪
いやいや、同じこと考える人もいるんだな〜と。(^o^)
ざれこさんの誘拐小説、すごいことになっておもしろそうじゃないですか。
私もよく妄想に耽るけど、結構ラストが難しいんだよね。どんどん膨らんで自分ではどうしようもなくなってしまう(^^;)
| そら | 2005/10/24 8:51 AM |

樹理はてっきり、佐久間の企画力を試すための
葛城からの刺客っつう単純なオチを想像してましたワタシ(汗)。

この作品、案外面白かったでしょ?
ちょっと表題のワリにはゲーム性に乏しかったけどね。
| アトマツ | 2005/10/24 9:20 AM |

本文と関係ないコメントで申し訳ないですが…藤木さんは「ロックミュージシャン(自称)」なんだそうですよ!役者がおまけね…。あぁ、そうだったんだ…。

まぁ、言うは本人の自由ですから!(笑)
| chiekoa | 2005/10/25 5:09 PM |

そらさん
同じ意見で嬉しいです。役者で歌って許せたのは柴咲コウだけですが、彼女は自分で歌ってるのか?と実は疑ってもいます(笑)

アトマツさん
私はそのオチすら思いつかなかったですが(苦笑)なんか怪しいとは思ってました(言い訳)
これ、軽いけどけっこう面白かったですね。確かにゲーム性には乏しいかも。

ちえこあさん
藤木さんに5時間くらい説教したい!(笑)つうか、音痴の人がカラオケで熱唱するのは自分がはずしてることに気付いてないからなんだそうです。って、毒舌過ぎますか。
多分びっくりするくらいナルシストなんでしょうね・・そこまでいくと逆に好感持てるかも。面白いかも。
私はここ最近の脇役生活を極め、10クールくらい連続で連ドラ脇役を固めてから3枚目キャラも確立、満を持して主役を踏む、という「2代目阿部寛」に成長してもらいたいと期待しております。歌ってる場合じゃないのだ。

熱く語ってしまってすいません。

| ざれこ | 2005/10/26 12:47 AM |

TBさせてもらいました。

「容疑者Xの…」から積極的に東野氏の作品を読もうと思っていますが、今回の作品は面白かったですね。
映画の方も少しみてみたいなぁと思いました。
| †力丸† | 2006/07/12 11:58 PM |

映画は見てないんですが小説の方拝読しました。基本的に悪い人間のドラマですね。人間らしくない人間ばかりが出てくる小説って甘ったるさがないのが魅力ですね
| 福田浩司賞味大臣 | 2008/06/01 10:06 PM |

単純には終わらないだろうと思いましたが、想像以上でした。
よくできた、スケールの大きな構成に感心しました。
やっぱりプロですよね。
でも、似たようなストーリーを既に考えていたなんて、
ざれこさんの発想力にも敬服です。ほんと。
| the salaryman | 2008/11/16 8:51 AM |

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://blog.zare.boo.jp/trackback/352319
トラックバック
「ゲームの名は誘拐」を再読
「東野圭吾デビュー20周年(私的)イベント、全作再読計画」の第4弾は『ゲームの名は誘拐』です。刊行時、『g@me.』の製作発表時、『g@me.』のDVD購入時、そして今回ですから、4回も読んだ事になります。ファンと言うよ...
| Gotaku*Log | 2005/10/23 3:47 AM |
ゲームの名は誘拐*東野圭吾
☆☆☆☆・
| +++ こんな一冊 +++ | 2005/10/23 9:12 PM |
東野 圭吾の「ゲームの名は誘拐」読了
ゲームの名は誘拐 東野 圭吾 著 「ゲームの名は誘拐」 ★★★☆ 前代未聞の誘拐小説!事件は犯人側からのみ描かれる。果たして警察は動いているのか。 映画「G@ME」の原作。 う〜ん,なんか特に面白くもなく詰まらなくもなくって感じで, 器用貧乏の名
| Grave of memory | 2005/10/23 11:53 PM |
(書評)ゲームの名は誘拐
著者:東野圭吾 藤木直人、仲間由紀恵主演で公開された映画、『g@me』の原作。当
| たこの感想文 | 2005/10/24 11:32 AM |
ゲームの名は誘拐 [東野圭吾]
ゲームの名は誘拐東野 圭吾光文社 2002-11-19 自分が企画したプロジェクトをクライアントに白紙撤回された佐久間。計画は一からやり直し、担当者も変更。そんな決定を下した取引先の副社長、葛城に直談判してやろうと、その自宅を訪れた佐久間は、何者かが屋敷の中か
| + ChiekoaLibrary + | 2005/10/25 5:08 PM |
「ゲームの名は誘拐」東野圭吾
ゲームの名は誘拐 「容疑者Xの献身」は、当分回ってきそうもないし、祝直木賞ということでこれを読んでみました。タイトルがおもしろそうだし、藤木くんと仲間さんのDVDが思い浮かんで、よさそうだったので。 でも、あまりおもしろくなかったです。「レイクサイ
| 本のある生活 | 2006/02/06 12:25 PM |
東野圭吾『ゲームの名は誘拐』
ゲームの名は誘拐光文社このアイテムの詳細を見る 今回は、東野圭吾『ゲームの名は誘拐』を紹介します。本書は「g@me」という題名で映画化されているものの原作である。本書を読んでいると、ゲームは頭のいい人じゃないとキャラが立たないかなと思いました。ゲームに登
| itchy1976の日記 | 2006/05/04 7:38 PM |
■ ゲームの名は誘拐 東野圭吾
ゲームの名は誘拐東野 圭吾 光文社 2002-11-19by G-Tools , 2006/05/04 敏腕広告プランナー・佐久間は、クライアントの重役・葛城にプロジェクトを潰されました。ひょんなことから家出してきた葛城の娘と出会った彼は、葛城に復讐すべく、娘を人質にした狂言誘拐
| IN MY BOOK by ゆうき | 2006/05/05 11:07 PM |
ゲームの名は誘拐/東野圭吾
東野圭吾氏の『ゲームの名は誘拐』を読み終わりました。 自分の企画を見切られた。 相手は副社長。 酔いに任せて、その副社長の家を訪ねるが・・・・。 塀を乗り越えてきた娘に声をかけたのが始まりだった。 二人は共謀して、狂言誘拐の計画を企てるのだが・
| Word that spells desire 〜想いを綴る言葉〜 | 2006/07/12 11:55 PM |
ゲームの名は誘拐
これは「読んで良かった」と思える作品。 時間の無駄を感じることはないでしょう! 頭が良すぎて完璧に見えすぎてリアリティーがないようにも 思えますが仕事の出来る男というのはこういうレベルまで 達しているのだろうと思いながら成立はさせてました。
| 本を読もう | 2007/03/24 8:49 AM |
ゲームの名は誘拐/東野圭吾
この誘拐は、家出した娘と共謀して企てた狂言誘拐。策略を巡らせ、手の込んだ方法でまんまと身代金を手に入れます。でも事件の裏には、もっと奥深い事件が絡んでいたのです。単純には終わりません。さすがは東野圭吾、満足でした。
| サラリーマンの読書エッセイ | 2008/11/16 8:46 AM |
『ゲームの名は誘拐』 東野圭吾
「東野圭吾」の『ゲームの名は誘拐』を読みました。 [ゲームの名は誘拐] 昨年末に観た、映画『g@me』の原作です。 -----story------------- 敏腕広告プランナー「佐久間」は、クライアントの重役「葛城」にプロジェクトを潰された。 葛城邸に出向いた彼は、家出してき
| じゅうのblog | 2009/04/20 8:25 PM |
NOW READING
ざれこの今読んでる本
Categories
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
Profile
Search this site
Sponsored Links