本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
<< June 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 積読削減キャンペーン | main | 「慶応四年新選組」結束信二 >>
# 「新選組幕末の青嵐」木内昇
新選組幕末の青嵐
新選組幕末の青嵐
  • 発売元: アスコム
  • 価格: ¥ 2,310
  • 発売日: 2004/04
  • 売上ランキング: 9009
  • おすすめ度 4.5


過去記事のアップ、新選組特集その2。マニアック編。
この本は「ほぼ日刊イトイ新聞」で紹介されていました。
ほぼ日では「ほぼ日テレビガイド『大河ドラマ新選組!』」
糸井氏ともう2名が真剣に大河ドラマをみて感想を述べあっていて、それも楽しく読んでましたが、
その流れでこの本も読もうかと思って、図書館に行ったらない。
・・・リクエストして買ってもらい、やっと読みました。
図書館、いい本買いましたよ、よかったよ。私に感謝しなよ。

新選組隊士たちが入れ替わり立ち替わり、視点を変えて、
動乱の歴史を語っていく形式をとってます。
目次を見ると

「大きなもの」沖田総司
「大政奉還」井上源三郎

なんて感じで、小学校の文集みたいなんだけど、どんどん視点が変わることをうまく利用して、
人と人との関わりとか、組織の中でのその人の立場とか、が、
くっきり浮き上がってくる感じがありました。
たとえば武田観柳斎が「近藤には適当に言ってへつらっておこう」と独白し、
そのすぐあとに近藤が 「武田の言うことなら間違いなかろう」なんて思っている。
そこで近藤の、人を信じすぎる人柄が出てしまったり。

読者はいろんな人の視点から全体像を見れるわけだけど、
個人の視点というのは本当に狭いな、なんてことも思う。
藤堂平助、伊東甲子太郎なんかはかなり視野が狭く、なんだか人間くさかった。
それとこういう描き方で、土方歳三がいかに人を見る目があって
人を使うのがうまいか、がよくわかる。
適材適所だよなあ。管理職どもは一度読んだらいいんじゃないの、とか思ったり。

わりと人物はわかりやすく、ステレオタイプで描かれてる場合が多かった。
土方は悪役ぶってるけど情に厚かったし、
近藤は馬鹿だし芹沢は乱暴だし伊東は小物だったしなー。
例外は沖田総司。小さい頃に極貧に苦労しつつも姉たち家族の愛情を一身に浴びて、
本当に大切なものが何かということを悟っている。
だから皆が時代だ何だで悩んでいても、もっと大事なことあるのになーといった
飄々とした視点でものを見る。ある意味土方、近藤より上をいってる。
出番はわりと少ないんだけど、この本の沖田の最期には涙した。

永倉新八も度量の大きい人物として描かれてて、でも一番常識人。
「普通」でいることの偉大さ。まあ、度胸よすぎて普通でもないけど・・・
あと、斉藤一はかっこよかったです。剣以外に何も頼るものなく生きてきたけど、
だんだん土方たちを信用するようになっていく。その過程がよくわかりました。
それにしても、どうして新選組を描く人はみんな、斉藤一はかっこよく書くんだろうなあ。

展開的には書くこと多すぎるから仕方ないんだが、ダイジェスト版、な感じは否めない。
でもなんていうか疾走感があってぐいぐい読めた。

で、人物たちはみんな、自分の居場所を求めてさまよってるような、
青臭い感じがあって、ある種の青春小説として読みました。
そういや新選組ってみんな若かったよなあ。

こんな風に新選組本をたくさん読んでる今日この頃ですが、
人によって本当に違うもんですねえ。
わかりきった話でも「こう描くか。」とか言うのも楽しみに読んでます。
同じ素材をどう料理するか、おいしいかまずいか、そんな感じです。
文学というジャンルの奥深さを感じますなあ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 15:47 | category: 作家別・か行(木内昇) |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://blog.zare.boo.jp/trackback/350343
トラックバック
NOW READING
ざれこの今読んでる本
Categories
Comments
Trackback
Mobile
qrcode
Profile
Search this site
Sponsored Links