本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「鉄道員(ぽっぽや)」浅田次郎
鉄道員(ぽっぽや)
発売元: 集英社価格: ¥ 500発売日: 2000/03売上ランキング: 18,489
posted with Socialtunes at 2005/10/14


この短編集はすごいわ。名作ぞろいです。
ささやかな奇跡、をテーマにした短編集らしいが、なるほど、どれもこれも、
ちょっと不思議な、でもステキな奇跡がモチーフになっている。
日本中が涙した表題作「鉄道員」でも、亡くしたはずの娘がやってくるし、
その他の話でもいなくなった父が現れたり、祖父が盆で帰ってきたり、
そして彼らと生きている者たちとのつかのまのふれあい、が泣かせます。

解説で、「どの短編がいいか、でいろんな流派が分かれて喧嘩になる」と書いてたが、
どれもこれも代表作になりうるいい作品ばかり。何回も泣かされてしまった。
解説で「女性が泣く」と書かれていた「ラブ・レター」に私も一番やられた。
ヤクザの手下の吾郎は中国女に戸籍を売り、偽装結婚していた。
その中国女が死んでしまい、警察からお務めで帰ってきた吾郎のもとに、
彼女からの手紙が届く。その手紙の中に彼女の儚かった人生が垣間見えて、
そして吾郎の、幸せだったかもしれない別の人生が垣間見えて、吾郎は号泣、
そして読者も号泣である。
短い作品なのに、ここまで情感豊かに深い作品はなかなかないんじゃないかな。
人生の哀切がひしひしと身に迫る。
他にも、解説に「中年男性が必ず泣く」と書かれている「角筈にて」や、
「うらぼんえ」なども泣かせる作品だった。

なんていうか、死んでしまった家族との交流を通じて、
その人の人生が浄化されるというか。そして、新しく生きていけるというか。
各短編とも、かなり悲惨な境遇の人たちが多いんだけど、
それを淡々と、不幸がりもせず皆生きていて、でも、死んだ家族と出会って
ふと、肩の荷をおろして一息つくというか、そして元気になるというか。
そういうお話が多かった。

さらに私はあとがきを読んで私は驚いた。
そういう哀しい話ばかりで、作者はそれを「自分の幼時体験を書いた」とか、
あっさり書いている。実際に生きてきたからこその「淡々とした」書きぶりだったんだな、
と思って、なんだか余計身に染みた。

映画も観ました。感想はこちら
| comments(2) | trackbacks(1) | 17:35 | category: 作家別・あ行(浅田次郎) |
コメント
TBさせていただきました。
色々本を読みたい今日このごろです。
ブログ参考にさせていただきます!
| ちえりん | 2006/11/21 8:27 PM |

ちえりんさん
はじめまして。TBありがとうございます。この本の初TBでしたね。
いろいろ読まれるんですね。少しでも参考になれば、で、面白い本に出会えるとこちらも嬉しいです。またお越しください。
| ざれこ | 2006/11/22 12:41 AM |

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浅田次郎『鉄道員』
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| 時遊くらぶ-図書館- | 2006/11/21 8:26 PM |
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