本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「新選組血風録」司馬遼太郎
4041290074新選組血風録
司馬 遼太郎

角川書店 2003-11
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感想を書いたのは2004年。新選組関連本の過去記事特集第2弾。
_______________

今、私の中で新選組が大ブームなのです。
大河ドラマの影響、わかりやすすぎ。
大河ドラマみてるとねえ、「今のシーンを司馬遼太郎はどう描いてるか?」
ってことが妙に気になったりして、それでこの本と「燃えよ剣」を
一気に読破、なんとなく気が済みました。

「燃えよ剣」は土方歳三の生涯をフルスピードで描いたものでしたが、
この本は連作短編。
新選組のメンバー数人に焦点が当てられ、彼らの具体的な人となり、
生き様、なんかが丁寧に描かれる。
大事件でなくても、具体的で小さなエピソードに、
隊士たちの人間味がにじみ出ている秀作が多かった。

妻をもらって命が惜しくなり臆病になって抹殺された鹿内薫、
衆道の道に走り男を狂わせる加納惣次郎、なんかが印象的だった。
鹿内は家庭を築いて愛するものが出来た途端弱くなった。
そして近藤勇に嫌われ、殺されてしまう。
臆病であることは「士道不覚悟」、だが大事な人と共に過ごしたい、と
思うことは本当に弱いことなんだろうか。

そして加納惣次郎はまた凄かった。男の恋人が嫉妬に狂って
殺人を起こしていると思ったら、やがて明らかになる真相にはぞっとさせられた。
(この短編が映画「御法度」の元になっている)
新選組の中にいても彼は不気味な化け物だった。
怖いのは剣よりも人間の業。

上2つの短編がまさにそうだが、新選組という特殊な戦闘集団を通した、
優れた人間ドラマが短く完結に展開されていて、
男とは、強いとはなんぞや?などと、もやもやと残る、そんな短編集。

沖田総司も数回主役になってますが、
隊士とは違う死の形を見据えて透明に微笑む彼は
本当に美しいと思いました。
なんていうか、彼に象徴されると思うけど、
生き急いでいる新選組はかげろうのようで、
一瞬きらめくその刃がやけに美しい。
日本人が(私も含め)この殺人集団をやたら好きな理由は
そこらへんにあるんじゃないかなあ、って思ったり。
| comments(0) | trackbacks(1) | 16:49 | category: 作家別・さ行(司馬遼太郎) |
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| まろまろ記 | 2007/09/21 1:58 PM |
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