本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「華胥の幽夢 ― 十二国記 」小野不由美
華胥の幽夢(ゆめ)
小野 不由美〔著〕
講談社 (2001.7)
通常24時間以内に発送します。


珍しく短編集。
十二国の人々への著者の愛情が感じられる一冊ですね。
何気ないエピソードが多いですけど、ずっと読んできたものにとっては
よだれものの本ですわ。あの本の顛末がこんなところに、って感じ。

「冬栄」
「黄昏の岸 暁の天」であったエピソードの話です。
まだ幸せだったころの泰麒と、王とのさりげない交流が温かいです。
漣国の王も本編では出て来ませんがここではでてきます。面白い奴です。
最初泰麒が出てきたときには、「黄昏の岸」その後かなあ、
その後うまくいったのかな、とか思ってしまって、そうでないとわかって
切なかったですが。

「乗月」
「風の万里 黎明の空」その後、みたいな話。
芳国で、王の圧制に耐えかね謀反を起こしてしまった月渓の苦悩、
そしてそれが溶けていく様子。短編とはいえさすが、重かったですわ。
罪悪感でさいなまれて動けなくなるのは、自分に言い訳してるってことなんだね。
自分の罪を自分で認め、それでも進むってのは、難しい。

「書簡」
景王陽子の親友である半獣の楽俊との手紙のやり取り。
軽い感じで読めるけど、友達ってなんだろうってちょっと考えた。
本当の友達なら、相手の心配事なんか黙っててもわかってしまうんだから、
強がってもいいんだね、逆に。聞くほうもさらっと流してあげたらいい。
何でも悩みを打ち明けてるうちはまだそこまでいってないんだろうな。

「華胥」
この短編の中で一番重い章。
才国は新王から20年、麒麟が重い病にかかり、麒麟が病んだら
王は失脚する。しかし原因がわからない。わからないまま、
王はあがき、王の側近くの者たちもあがく。
「人を責めるはたやすいが、正すは難しい」そんな言葉が身に染みました。
人の悪口ならなんぼでも言えるけど、「じゃあどうやったらよくなるの?」と
聞かれたら答えられるか。否。私も肝に銘じよう。

「帰山」
私にとってはボーナスみたいな章でした。
「図南の翼」で出てきたあの人と、私が気にかけているあの人が
各国を巡って国の滅びる様子を見ている。片方は在位600年、片方は500年。
自らの国が滅ぶのはいつ、どんな風に。
そんなことを思いながら気軽に他国を覗く二人。

思うんだけど、このシリーズで私は「人と人との間の大事なこと」を
たくさん知ったような気がするよ。
この歳でいちいち感心しててどうするよ、って思うけど、
生きてく上で他者とのかかわりって永遠のテーマだと思うから、
いっぱい吸収できてよかった。いい本に出会いました。

挿絵入りの方でいいから、若い子にもたくさん読んで欲しいな。と思う。
| comments(0) | trackbacks(0) | 01:57 | category: 作家別・あ行(小野不由美) |
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