本を読む女。改訂版

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# 「図南の翼 ― 十二国記 」小野不由美
図南の翼
図南の翼
posted with 簡単リンクくん at 2005. 9.11
小野 不由美〔著〕講談社 (2001.1)通常24時間以内に発送します。


「十二国記」今度は恭国の若き女王、珠晶が黄海を渡り、
王になるまでが描かれています。
これは面白かったですなあ。小気味いいお話でした。

珠晶は恭国の豪商の家に育ち、歳の近い侍女を使い、
何不自由なく生活しているんだけど、ある日突然家出して、
王を選定する麒麟がいる蓬山に昇山しようとします。
蓬山に行くまでには黄海といって、妖魔が跋扈する荒涼の土地を
越えなければならず、12歳の小娘一人で渡れるはずもなく。
彼女はなんだかんだトラブルに遭いながら、気のいい大人たちに
助けられて、恐ろしいほどの運のよさと気の強さで、蓬山を目指すのです。

珠晶はまあはっきりいって小生意気なガキで、
根拠もなく「王になる」って言い切っていて大人も閉口するガキで。
かわいくねえなあ、と思いつつ私は口だけじゃない素直さとか、
器のでかさには道中ずっと感心して読んでしまってました。
もちろんガキだし、社会の仕組みとか、人の役割についてとか、
道中で集団行動とるうちに学んでいくんだけど、
大人と言われる私でも、うーんとうなってしまうことばかりを、
彼女はぐんぐん自分の中で解決し、吸収していきます。

例えば人の役割。私などはつい人に世話を焼いてしまったり
するけど、それは自分の自己満足に過ぎないことが多くて、
それに自分の面倒もしっかり見れてない人が人の世話を焼くなんて
思い上がりでしかないってこと、とか。
そして、自分で何もしないうちから人に依存して頼るなんて、
それも甘えに過ぎないってこととか。

ここで12歳の少女が身に染みたこんなことを、大人の私たちは
どこまでわかってんだろうね。とか思って、肝に銘じましたわ。

いやあ、生意気なガキが主人公で、手に汗握って面白いのに、
こうまで深い本ってどうなんだろうね。
しかし生意気なガキの珠晶の本心が最後に明らかになり、
私は彼女に喝采を送りましたよ。カッコイイ小娘だわ。

しかしここまでシリーズを読んで思ったけど、
この十二の国では王を選ぶのは麒麟で、王は選ばれたら即なれるわけだけど、
王になるためには恐ろしい黄海を越えたり、そうでなくても
景王の陽子みたいにいきなり一人で野に放り出されて追われたり
(「月の影 影の海」参照)何らかの苦難が用意されていて、
王になるにはそれを越えないといけない、ことが多い。
だから簡単に王になれる奴なんかいなくて、王になるからには
読者が納得できる資質を備えてて、さらに成長していく必要があって、
だからこのシリーズはこんなに面白いんじゃないのかな。
どうでもいい奴が選ばれただけで王になるだなんて、納得いかないもんね。
そこらへんをしっかり描いてくれてるから、だから私は読むのだろうと思う。
| comments(0) | trackbacks(1) | 01:48 | category: 作家別・あ行(小野不由美) |
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小野不由美『図南の翼』
小野不由美『図南の翼(となんのつばさ)』 講談社X文庫 1996年2月5日発行 恭国は先王がたおれてから27年。 災害が増え、妖魔が徘徊する、荒んだ国とは裏腹に、 豪商の娘・珠晶は何不自由ない生活と充分な教育を受けて育った。 「安全な家に住み、食べ物にも困ら
| 多趣味が趣味♪ | 2006/07/03 10:54 AM |
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