本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「妊娠カレンダー」小川洋子
妊娠カレンダー
小川/洋子??著文芸春秋 (1994.2)通常2??3日以内に発送します。


「博士の愛した数式」しか読んだことなかったんですよ、小川洋子の本って。
で、他の人の感想も読んでて、ちょっと「博士」と普段の作風は違いそうだぞ、と
用心して読んでみたら、なんかほんまに全然違った。
でもなぜかどうも引き込まれる。まだまだ読むと思います。

3編の短編。姉の妊娠を見守りながら、農薬だらけの
グレープフルーツジャムをつくり続ける妹の話、
壊れかけた学生寮に毎日通う女性と管理人の話、
給食室を見つめる男性と子供と女性の話、
なんか、ある日ふと見た夢みたいな、悪夢じゃないけど不思議な夢みたいな感じ。

とても綺麗な、澄んだものにくるまれてるんだけど、中は熟してどろどろ、みたいな。
煮詰められた農薬だらけのグレープフルーツジャムみたいな。
文庫本あとがきであったけど、
「新鮮なたまねぎより、腐ったたまねぎの腐敗していくドラマを描きたい」(うろ覚え)って
感じの、小説。
なんだか人生から立ち止まっていて停滞してどろどろとしているんだけど
表面的には美しくて、なんていうか・・・・

この感じはこんな稚拙な語彙では表現できないなあ。

表題作はとても妊婦には読ませられないけど、
この、なんていうんだろ、赤ちゃんがおなかにいるというその不思議さ、違和感、
女性の体がどんどん変化して、人間が産まれる、悪く言ってしまえばそのグロテスクさ、
そんな感覚はわかる気がしてしまった。
女性は子供を産むことで変わっていく。いろんな意味で。
それは時に怖いし、でも、女なら、やってみたくもある。

まんなかの学生寮の話がなんか怖かったです。それこそ悪い夢みたいな。
すごく映像的でもありました。場面が浮かんで、だからますます悪い夢みたい。

全部なんだけど、やたら食べ物が出てくるんだけど、
なんだかあまり美味しそうじゃない。なんだろ、食べずにいられない人間の悲しさ、
みたいな、そんなものを感じてしまった。給食のエビフライとか、美味しそうじゃないしなあ・・
なんつうか、生きてる生々しさを感じてしまう短編集でした。
もうこれ以上この小説の感じを書こうとするのはやめよう。どう書いても伝わらない・・・
| comments(1) | trackbacks(3) | 00:48 | category: 作家別・あ行(小川洋子) |
コメント
こんばんは★
小川さんのことばは落ち着いた美しい響きをもっていますよね。
しかし、その美しさの裏はむしろグロテスク。
そんな両面を備えた文章に、なぜかハマってしまうのです。
私は特に、からだに関する表現が美しくもグロテスクであるなぁと感じました。
でもとても魅力的なんですよね…
| Rutile | 2007/01/24 10:17 PM |

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