本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「顔」横山秀夫
顔 FACE
顔 FACE
  • 発売元: 徳間書店
  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 2005/04
  • 売上ランキング: 8,197
  • おすすめ度 3.88


「陰の季節」に続く、D県警シリーズ第2弾。「陰の季節」の第3話で登場する似顔絵婦警、
平野瑞穂が主人公の連作短編ミステリ集。話も「陰の季節」の続きになる。

小さい頃から婦警になりたかった平野。夢を叶えたはいいが、県警は男性社会、
女性はマスコット的存在になってしまわないと生き残れない、そんな社会。
鑑識課で似顔絵婦警として働いていたころ、理不尽な上司命令を拒んだ平野は
「だから女は使えねえ」と捨てぜりふを吐かれ、精神的に追い込まれて半年休職する。
その後配属されたのは広報課。そこからこの話は始まる。
広報課、電話相談室、など適当に忙しいところに回され便利に使われてしまって、
希望している鑑識にはなかなか戻れないのだが、各部署で遭遇する事件には真摯に対応していく。
どの部門にいっていかに女だからと軽く扱われようと、その場その場でまじめに取り組むその姿勢は
見習わないといけないなあ、なんて普通に思った。仕事中にブログ更新してる場合ちゃうなあ。

後輩の似顔絵婦警から「平野さんは正しすぎていい人だから嫌い」
みたいなことを言われてしまうほど、まっすぐな平野巡査。
こういうタイプは私は友達になれないはずだし、男性がこういう女性を描くと
どうしても理想に走りがちで現実味を帯びないが、でもとても好感がもてる。そんな人だ。

事件も、女性が常に絡み、そして平野は女性の視点からそれを解いていく。
別に男女雇用機会均等法の味方をするわけでもないけど、
警察が男性社会になると視野が狭まって、
捜査もうまくいかないんじゃなかろうか、とか思ったりもする。
女の視点をばかにするなよー。軽く見られている女だからできることもある。
それは、事件を起こす側にも、解決する側にも・・
なんか女性が懸命に生きていくことのむなしさ、哀しさ、みたいなものが
見事浮き彫りにされていて、
男性が書いたのにそこらの心情は胸にちょっと迫るものがあった。

私は平野巡査ほどまじめに生きてないからいいんだけどさ。べつに。
でもなんか、がんばったってしゃーないやん、
所詮女は見た目や胸の大きさで勝つし、料理が上手とか、
所詮そんなことしか期待されてない。
で、そういう武器すらない私は仕事では絶対勝てないし、やさぐれるしかないわけですよ。はい。

まあそんなことより。
「陰の季節」と比べて文章がやわらかく優しくなっていた気がする。
事件も「陰の季節」ほど地味じゃないし、ドラマかよ、ってシーンもあったりしてちょっとびっくり。
いろんな風に書ける人なんだなあ、と改めてすごさを実感した次第。

エピローグがすがすがしくって、ああこれからまたがんばるんだな、
私もちょっとやるか、みたいな気分になる。
でもこうやって、仕事中ブログ更新とかしてますけど・・・
(何が、ちょっとやるか、だよ。と自己つっこみ)

どうでもいいけど文庫になったとたん装丁がオヤジっぽくなったよなあ。
女性が読んだ方がいい本なのに。

ちなみに単行本
オンライン書店ビーケーワン:顔
| comments(2) | trackbacks(12) | 11:01 | category: 作家別・や行(横山秀夫) |
コメント
全然知らなくて観ていないんだけれど
一昨年ドラマにもなったんですってね。
平野瑞穂役は仲間由紀恵さんで。
観てみたかったです。
| ふらっと | 2005/07/28 1:41 PM |

らしいですね。オダギリジョーも出ていて、
何の役だろうって今調べたら、原作にない役だったようです。
アマゾンでは賛否両論なドラマでしたが、見てみたいですねえ。
DVDレンタルできないかなー
| ざれこ | 2005/07/29 12:26 AM |

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「顔 FACE」横山秀夫
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