本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「スプートニクの恋人」村上春樹
スプートニクの恋人
スプートニクの恋人
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 600
  • 発売日: 2001/04
  • 売上ランキング: 14,848
  • おすすめ度 3.78


読み終わってまたもや途方にくれた。これをどう消化すればいいのだろう?

22歳のすみれが、生まれてはじめて激しい恋に落ちる。
その相手はたまたま、17歳年上の女性だった。

そのすみれの物語が、すみれの傍にいる「僕」の視点から語られていく。
「僕」は村上春樹の小説でありがちな、なんとなく諦めたかのような
投げやりな喋り方をし、常に比喩を駆使し、それは時としてとても的を得ていて、
と、そういう人物。彼はすみれに絶大な影響を与えている。

すみれは、痩せこけて目をぎょろぎょろさせて、でも美しく、
大学を退学して小説ばかり書いている。でも、上手く終わらせることが出来ない。
とても切実で真剣で、彼女の問いはいつも「僕」を、自分の内部へと向かわせる。

特にすみれの存在感の大きさといったら。その魅力は、私をも捕らえてしまう。
そんなすみれが恋をした。一世一代の恋だった。
・・・多くを語るのはやめよう。この文庫の帯のように寡黙に。

またもや感じたのは「失う」こと。村上春樹の小説を読むといつも感じ、
寂しくなる。

大学の時にすごく仲良くしていた友達と、もう今は会わなくなっている。
そんな人が何人もいる。連絡をとれば取れるはずなのに、特に連絡もとらず、
特に会おうとは思わない。
なぜなら、今会っても、当時私が与え彼らが与えてくれた時間は、
あの楽しい美しい時間は、もう二度と共有できないのだ。
それがわかっているから、特に会おうとは思わない。
それはとても悲しく切ない。でも、流れていくものに、逆らうことは出来ない。

今いる大事な人たちも同じこと。だから今、必死になって大事にしなければいけないのだ。

なんてことをこの本を読んで、思った。
そういう本だった。私にとって。
| comments(6) | trackbacks(4) | 14:08 | category: 作家別・ま行(村上春樹) |
コメント
こんにちは。
TBさせていただきました。
今、ずっと村上春樹の本を読んでます。
その時読んですごく印象に残ったとしても、数年経つと内容を忘れてしまっていることがあるんですよ。私だけでしょうか?
なので、感想を書き留めるブログを始めました。
そして、今まで読んだ本も改めて読み直して感想を書いてます。
次は「ねじまき鳥クロニクル」を読む予定です。
読んだらまたこちらにお邪魔したいと思ってます。

| ヨッシー | 2005/07/27 3:29 PM |

ヨッシーさん
こんばんは。私も、すごくいい本でも内容をすぐ忘れちゃいます。
それがもったいなくってこうやって感想書き溜めてるんで、
お気持ちすごくわかります。
でも村上春樹さんの本は話を覚えていようがどうでもよくて
何度でも再読してしまいます。不思議です。

またいつでも遊びに来てくださいね。
| ざれこ | 2005/07/28 1:22 AM |

こんにちは。遊びにきちゃいました。
ざれこさんからいただいたコメントにありました

>失われるからこそ大事なもの、大事にしたいなあとそういや思った

↑これ、私も感じました。

大切にする手段・方法の答えはまだ見つけられておらず、
不器用にしかできないんですけどね。
| 竹嶋 | 2005/09/24 11:09 AM |

竹嶋さん
コメントありがとうございます。
もちろん私にも答えなんぞ出てません。ただ毎日そう感じているだけです。

村上氏の本を読むと混乱していつもいろいろ感情的に考えてしまいます。不思議な魅力です。
またいらしてくださいね。
| ざれこ | 2005/09/26 2:38 PM |

こんにちは。
「どう消化すればいいのだろう?」僕も何度かこの本を読みましたが、毎回同じ感想を抱いてしまいます。でも、「僕」も「すみれ」も「ミュウ」も、みんな喪失感にとらわれながら生きている、そのことがテーマなのは確かだと思います。作者は読者に答えを与えてくれません。だから僕らは読後に混乱してしまう。それは不親切だからや曖昧な雰囲気を狙っているからではなくて、本物の人生にもやはり答えなんてないからだ、という気がするんですよね。
…長々と失礼しました。このブログ、知的で気に入ってしまいました!また遊びに来ます。よかったら僕のブログもご覧下さいませ。
| tricky-days | 2005/10/01 8:49 AM |

tricky-daysさん

>本物の人生にもやはり答えなんてないからだ、という気がするんですよね。

あーそうなのかもしれませんね。なんかわかる気がします。すぱっと解決しちゃうもんじゃないですもんね。
現実も何も解決しないまま悶々と過ぎていきますもんね・・(なんかコメント暗いぞ)
それはそうと、「知的で」気に入っていただいたとはとても嬉しいお言葉。普段いろんなところであほ扱いされてるので、知的とか言われると弱いのです。ふふふ。(調子に乗ってる)またいつでもきてください。そちらにも遊びにいきますねー

| ざれこ | 2005/10/02 1:49 AM |

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