本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「サイケ」姫野カオルコ
サイケ
サイケ
posted with 簡単リンクくん at 2005. 6.30
姫野 カオルコ / 姫野 カオルコ〔著〕 / 姫野 カオルコ〔著〕集英社 (2003.6)通常2〜3日以内に発送します。


姫野節を満喫。70年代あふれる短編集である。
私の生きてきた時代とはちと違うのが残念だけど、
大阪万博や「ハレンチ学園」、藤圭子など、その時代を懐かしむものが
次々に出てきて、面白かった。

最初の2編が特に姫野カオルコらしさが漂っていて笑えた。
っていうかどちらも自伝ですか?姫野さん。
最初の話はスカートまくりに「喜ぶ」女子を痛烈に批判し、子供なんていらないと
子供が産めなくなると当時言われた「電子レンジ」の放射能を浴びる小学生の女の子が主役。
円周率が何かわからないから円の面積の計算が出来ないような、そういう女の子。

2作目はタイトルが「少年ジャンプがぼくをだめにした」。このタイトルを本タイトルにして
集英社文庫から出したかったという作者のたくらみを解説で読み、笑ってしまった。
これも「ハレンチ学園」で身を崩す?「わし」の物語。
明るい健全なエロでなくて、やましさからくる羞恥、本当に恥ずかしいこと、が
鋭く描かれていて、こっちまで恥ずかしくなってしまった。

なんというか、鈍感に過ごしていると気づかないこと、を登場人物も作者も
非常に鋭く見抜いていて、それには私もはっとさせられるし、舌を巻く。
私も感覚を研ぎ澄ませないといけないな。と痛烈に感じる。そういう2編だ。

そして3編目が私にとってはベストかな。「モーレツからナイーブへ」
この話には「勝ち組」女が出てくる。顔は印象に残らないし地味で控えめなんだけど
非常に面倒見がよくて、男はいつのまにか地味な彼女に取り込まれ、
そしてある日お願いされて安全日と思ってやっちゃうと子供が出来てたりするのだ。
そういう女が非常にリアルに書かれていて本気でぞっとした。いるいる、こういう奴。
そして私も姫野カオルコも一生こういう女にはなれない。というか別に、なりたくもないしね。

あと2編も小さいながらも小気味よい話で、
特に最後の話「お元気ですか、先生」の最後の2行が最高でした。

レトロな雰囲気で関西弁が(非常にリアル!)使われ、どちらかといえば真面目な文体だけど、
あちこちに効いた「姫野スパイス」が可笑しく、そしてかなり恐ろしい。

どうでもいいけど文庫カバーの見開きの著者胴体、マジですかあれ?くびれすぎよ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 17:52 | category: 作家別・は行(姫野カオルコ) |
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