本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「整形美女」姫野カオルコ
整形美女
整形美女
posted with 簡単リンクくん at 2005. 6.30
姫野 カオルコ / 姫野 カオルコ〔著〕 / 姫野 カオルコ〔著〕新潮社 (2002.10)通常2〜3日以内に発送します。


絶世の美女、甲斐子は自分の顔を「ブス」と断言し「ブス」に美容整形し、
阿倍子は「ブス」と言われても仕方のない自分の顔を甲斐子並の美人にする。
二人が再会したとき、二人の顔はお互いの前の顔に瓜二つであった。
彼女達は幸せになれるのか。そういうお話である。

これがまた、面白い。残酷で滑稽で哲学的ですらある。
「美人」って結局なんなの。と、考えてしまう。

超美人の甲斐子が目指したのは「手に届くかわいらしさ」である。
甲斐子は絶世の美女ゆえ、誰にも実は美しいといってもらえず、遠巻きに眺められていた。
そして、手に届くレベルだった阿倍子は、何も考えず「すこやかに」育ち、
普通にもてていたはずが、あるとき甲斐子の存在を意識した時から汚れて、しまう。

「美女」とはなんなのか、という問いかけには私は甲斐子の意見に賛成だ。

男友達の彼女、及び奥さん、によくこういうタイプがいる。
色は白くて背は小さく、髪は長めで保守的、化粧も地味で顔立ちも一見地味、
でも笑うとふんわりとかわいらしく、物腰はとにかく控えめで奥ゆかしい。
そのくせ、そのひそやかさの裏に潜む気の強さで男は知らぬ間に尻に敷かれている。
周りの男どもはあっさりそういうタイプの女性をゲット、「俺が彼女を守っている」かのような
勘違いに陥っている。それで気分よくいられるのだから、双方そりゃ幸せだ。
しかも、その彼女の更に性質の悪いことには、彼女達は全然悪人でもないし、偽善者でもなく、
「天然」なのである。自らのその才能に無自覚としか思えないのだ。
私はそういう人たちをねたむでも羨むでもなく単に「勝ち組」と呼んでいる。

甲斐子が求めていたのは、私流の言葉に直せばそういう女性なのだと思う。
だから気持ちがよくわかるのだ。
私はもちろん絶世の美女でもないし才女でもない。
ただ、男を前にして小首をかしげたら「肩凝ったん?」
黙ってにこやかに相槌を打てば「今日は珍しく静かやん。熱でもある?」
男のネタに「おもしろーい」などと愛想笑いしてみせたら「それって新ネタ?」
そのくらい言われる素質は持っている。ので、甲斐子の気持ちはわかるのだ。

ま、私は整形しても無意味であろう。中身も洗脳しなければ。

しかしこの小説では(無理矢理話を元に戻すが)
整形をしたとたん、各々の性格まで顔に合わせて変わっていく。
そのさまもなかなか考えさせられる。まあ、甲斐子は「計画」に基づいて
自ら変わっていくのであるが。私がいう「勝ち組」になるために。
やはり容れ物が変わると中身も変わるんだね。とか思いつつ。

そして、哀しくも滑稽なエピソードが続き、最後へと向かうのであるが。
甲斐子と阿倍子、どっちが幸せになったのか?
それはなかなかまた、難しく哲学的なのであった。
私は阿倍子の方が幸せな気がするけれど、
甲斐子は甲斐子で自らに満足しているようだから、それも幸せなのだろう。

結局幸せってなんだろう、って漠然と思った。
多分、容れ物はどうでも、その人が幸せと思ったときが幸せなんだろうな。
他の人がどう思おうとも。
| comments(3) | trackbacks(4) | 17:49 | category: 作家別・は行(姫野カオルコ) |
コメント
こんにちわ(=゚ω゚)ノ
いつもTBさせてもらっちゃってます。ありがとうございます。
最近カレンダーに[図休](図書館休館の意)マークを入れるようになりました(笑)確実に私の生活の中に読書の時間が組み込まれて来ています。
これも島本嬢とざれこさんのおかげです。これからもよろしく!
| Yuko | 2005/09/28 11:21 PM |

Yukoさんこんばんは。
読書、進んできたみたいですねー。私もなんだか嬉しいです。
島本嬢は私ももう2冊ほど読む予定にしてます。なんか気になるんで。また読んだらお邪魔しますね。
| ざれこ | 2005/09/30 2:08 AM |

ざれこさん、こんばんは。

「結局幸せってなんだろう、って漠然と思った。
多分、容れ物はどうでも、その人が幸せと思ったときが幸せなんだろうな。
他の人がどう思おうとも。」

たしかにそうですよね。楽しく感想読ませて頂きました。
やっぱりこういう小説の批評をさせたら、女性にはかなわないなあと思います。

男側からみた拙い感想文をトラックバックさせていただきます。よろしかったらご覧下さいませ!
| tricky-days | 2005/11/07 12:15 AM |

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整形美女 姫野カオルコ
 整形美女 姫野カオルコ  新潮社 1999.01 とりあえず表紙怖いよ・・・。 まぁそれは置いといて(つ´∀`)つ■ 面白い本でした。わりと興味あるジャンルだしね。今日は感想がちょっと長いです。
| イチゴイチエ | 2005/09/28 4:04 PM |
姫野カオルコ「整形美女」
 すっかり更新をサボッてしまった。訪問者は確実に減っているというものの、それでも毎日何人かの人が見てくれているのに、1週間以上もブログを放置しておくというのはまったくひどい話である。というわけで、久々に本のお話でも。  最近読んだ本の中で一番ポピュ
| Tricky Days | 2005/11/07 12:16 AM |
整形しますか??
やっぱり中身ですよねっ
| エロだけぢゃない!!真面目な書評もするよ案外 | 2005/12/04 1:18 AM |
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| 整形芸能人に学ぶ 美容整形情報サイト | 2007/03/12 4:07 PM |
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