本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「受難」姫野カオルコ
受難
受難
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 550
  • 発売日: 2002/03
  • 売上ランキング: 56,165
  • おすすめ度 4.83


処女のフランチェス子の秘所(便利な言葉があってよかった。)に、
突如人面瘡「古賀さん」が現れる。・・・。

古賀さんはとっても口が悪く、「どうせお前は魅力がない、ここも使わないから
俺がいたっていいだろ、はっはっは」とフランチェス子をののしる。
フランチェス子はそういう彼と「同棲」していくうちに、だんだん諦めの境地になっていく。
ただでさえ質素な彼女はますます質素に厳格に、で、処女パワー?炸裂な女になっていく。

発想が斬新すぎてもう途方にくれるしかない面白さ。
更に、放送禁止用語が一ページにこれでもかこれでもかとちりばめられ、
電車で隣の人に覗かれてたら困る小説の典型なのだが、
これがちっともいやらしくもなく、なんつうか、けっこう大真面目に考えさせられる。

恋愛を大真面目にすることのバカバカしさ、が古賀さんによって語られ、
フランチェス子によって真剣に考えられていく。
例えば、「恋愛のできる男女というのは、まともな会話はしないものだ。
「っていうか、なんかいいかも、ってカンジー」とか、そういう漠然とした会話でないと、
恋愛など成立しない」と古賀さんは力説する。
また、古賀さんは言う。「寂しいなどという感情は、傲慢な感情だ。
お前なんか、誰かが好きになってくれることなんかありえないんだから、
寂しいなんて思うことすら勘違いなんだよ、がっはっは」

うーん、厳しいお言葉ではないか。寂しい、は、傲慢か・・・

そんな言葉を真摯に受け止め、究極のネガティブ・シンキング(もう、悟りと言ってもいい)を
得たフランチェス子が最後に決めた決断。そして、絶句モノのエンディング。
大爆笑しつつ、なぜか、ものすごく幸せな気分になる、エンディングです。

かなり新しい感覚の小説だと思う。この面白さは表現しがたいな。
この人、こういう小説得意なんだけど、・・・・どういう人なんだろう。
今度エッセイも読んでみて、人となりを確かめてみようと思う。
| comments(5) | trackbacks(5) | 17:42 | category: 作家別・は行(姫野カオルコ) |
コメント
ざれこさん、こんにちは!
「受難」、読みましたよ−。いやあ、面白かったです。
ほんととんでもない設定で、最初はどうしようかと思ったんですが
でもそれはそれとして、案外すんなりとその世界に
すっかり馴染んでしまう自分が怖かったです。(笑)
ほんと、姫野さんってどういう方なんでしょうね?
こういう斬新な感覚が多い方なんですねー。
これからちょっとずつでも、追い掛けていきたいと思います。

あ、TB2つ送ってしまってます。
申し訳ないのですが、先に送った方を削除して頂けますか?
(そちらのURLは、近日中に削除しちゃいますので)
お手数ですが、よろしくお願いいたします。
| 四季 | 2005/11/13 4:26 AM |

四季さん
おお、最初はひきましたか(笑)すいませんねえ。よかった、気に入っていただけて。
この本を読んでからというもの姫野さんには興味津々です。エッセイも面白いですよ。
最近「桃」とか読んでると作風が変わった気がとてもするのです。この本、いやらしくないでしょう?でも「桃」はものすごくいやらしいし、一つ深くなった気がしました。えらそうですけど・・
| ざれこ | 2005/11/14 2:23 AM |

私も最初は本気でひきました…。
でもこんなにおもしろいなんて!
最高です…!
| chiekoa | 2005/12/15 5:14 PM |

ざれこさんの感想を見て読んでみました。
語彙が貧困なんですが、すごいな、というのが一番でした。笑 読んでよかったと思います。
ラストの展開がまた! こんなのアリ? ってのは今更か……と笑ってしまいました。
きっかけをありがとうございました〜! 
| マリ | 2006/05/21 6:57 PM |

マリさん
喜んでいただけたようで光栄です・・。よかった、苦情じゃなくて(笑)私もこれはすごいとしか言いようがないですよね・・。エンディングも唖然、でしたね。今思い出しても唖然です。はは。
| ざれこ | 2006/05/22 11:48 PM |

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