本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「裏庭」梨木香歩
裏庭
裏庭
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 2000/12
  • 売上ランキング: 5,945
  • おすすめ度 4


照美は幼い時に双子の弟を哀しい事故で亡くし、
その後も忙しい両親とともに普通に暮らしていた。
友達の綾子のおじいちゃんに、イギリス人の別荘だった
バーンズ屋敷の秘密を聞かされ、ある日遊びに行く。
すると、バーンズ屋敷の鏡が彼女を秘密の「裏庭」へと連れて行く・・・

「裏庭」世界はとても不思議なところで、
なんていうか、ファンタジーだというのに、私にはとても難しい本でした。

照美はそこでばらばらになってしまった龍の化石を集める旅に出るのだけど、
そこで一緒に旅をしていたスナッフというスナフキン似の人がいて、
その人の正体がわかってしまってからの照美の行動が、
私にはとても恐ろしく、その意味もつかめないまま最後まで読んでしまった感じ。

でもなんていうか、その照美の行動も含め、その旅は、
死んでしまった純の「死」を、残ったものが受け止めていく、
そういう旅だったような気がする。
そして、現実世界にいる照美のお父さんとお母さんも、
照美の行方不明がわかったころから、いろいろと、考えはじめます。
そして家族みんなが、目をそらしていた純の死を受け入れたところで、
照美の旅は終わり、純は本当に死ぬことが出来たのだな、と
そんなようなことを思った。
それは哀しいけど、人が生きていくために必要なことでも、ある。
生きている人たちが前に歩いていけるように。

照美の家族達は、それぞれ「テルミィ」「さっちゃん」「徹夫」として、
お父さん、お母さん、娘、じゃなくて、それぞれ個人として描かれる。
そして照美がスナッフがいなくなってから一人で旅を続け、
誰にも頼れず、本当に一人ぼっちだということが身に染みて、
何でも自分で決めてすすんでいかないといけない、と骨身にしみたとき、
照美は確かに自立したのだった。
そしてその時は、家族全員が、家族と言う単位ではなく、
個人として生きはじめた、その瞬間だったような気がする。
一人一人として生きていくことで、より家族の絆は深くなる。
そんなようなことを思った。

本当に読みやすい童話のような話なんだけども、
私を考えさせるような深い内容がたっぷり含まれている気がして、
じっくり読んでしまいました。
本当は、凄惨な連続殺人事件ものを読んだあとだったので、
気分を変えようと思って読んだんだけど・・・重みは一緒だったな。
でも読後感は爽やかです。とても。

| comments(7) | trackbacks(6) | 10:54 | category: 作家別・な行(梨木香歩) |
コメント
こちらの記事を見つけたので、TBさせてもらいますした。

「裏庭」は児童文学といいながらも。内容が深く、大人だからこそ受け止められるところがありましたよね。
私はこの本で梨木さんにはまり、現在MYブーム(古っ)です。
梨木さんの本はどれも重たいので、立て続けに読むことが出来ないんですよね。
そういえば、梨木さん、近々新刊が出るようです。
8月だったか、9月だったかな。
それまでにコンプリートするのが目標ですが、出来るだろうか・・・
| くろにゃんこ | 2005/07/13 11:42 AM |

こんばんは。
梨木さんの本は3冊くらい、文庫で出てるのを読みました。
そう、重いんですよね・・・。すごく優しいのにすごくずしんときちゃうので、
確かに時間をおいて読まないときついんですよね・・
「からくりからくさ」は読んだんですが、姉妹編「りかさん」はいつ読もうかな、と時期を見計らってます。
あとお薦めあったら教えてくださいね。
| ざれこ | 2005/07/14 1:55 AM |

「りかさん」は面白いです。
ミステリーチックだし、とにかくりかさんがとっても素敵。
ほかの人形も喋ってるし。
「ミケルの庭」は「からくりからくさ」の後日談で、なにかと興味深いです。

お勧めは「家守綺譚」かなぁ。
ファンタジックというかメルヘンというか、幽霊とか出てくるんだけど、ちっとも怖くないんです。
装丁も雰囲気があっていいですよ。
図書館で探してみてください。
| くろにゃんこ | 2005/07/14 9:13 AM |

「りかさん」ってミステリ仕立てなんですね。うわー気になる。
「ミケルの庭」も収録されてるんでしょうか。みてみようっと。

「家守綺譚」は本屋大賞の候補になってましたっけ。本屋大賞はワタシ的にはかなり信用できるんですよね。
探してみますね。ありがとうございます。
| ざれこ | 2005/07/14 9:38 AM |

はじめまして。
この本について、私も書いたのでTBさせてください。
よんでみて…ファンタジーですが、むずかしかったです。
梨木作品は、「りかさん」「西の魔女が死んだ」をよみました。はまり気味なので、今後も読んでいきたいです。
新刊が出るんですか?それはたのしみ☆
| 小鈴 | 2005/07/19 1:45 AM |

裏庭、私も読みました。
児童書としては難しいですよね。
ものすごく考えさせられましたが、いい本だと感じました。
ここのところすっかり梨木さんの世界にハマっています。
TBさせてもらいますね。
| みわ | 2006/01/09 12:25 AM |

みわさん
そうですよね、児童文学なのに難しい。でも主人公の成長をすごく感じる、ステキな本でした。
私も今年は梨木さん読みまくりたいです。なんかかなり好きかも、と思ってます。
| ざれこ | 2006/01/09 3:14 AM |

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