本を読む女。改訂版

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# 「リセット」北村薫
リセット
リセット
posted with 簡単リンクくん at 2005. 6.27
北村 薫 / 北村 薫著新潮社 (2003.7)通常24時間以内に発送します。


昭和20年。疎開を前にずっと心にひっかかっていたあの人に会いに行った私。
その翌日から、長い長い二人の旅が始まるのだった。

もう、ほんまに、美しい小説でした。
主人公は戦時中の高校生で奥ゆかしくて素直で、心美しい人。
ご学友(って感じなのよほんま)の二人も個性的だけどステキな人たちで、
彼女達は「啄木かるた」をして遊んだりします。
そのかるたの絵柄が中原淳一だったりして、また美しい。
戦時中にも関わらず芦屋に住んでいた彼女達は、優雅で清らか。

そして、そのかるた遊びで印象的な出会いをした修一さんを
「私」は忘れられず、疎開の時に勇気を出して会いに行く。
そしてその翌日、空襲が二人を襲う・・・そして・・・・

「ターン」「スキップ」に続くシリーズであるのでもちろん「時」がテーマとなってくるのだが、
今回の「リセット」の仕組みは前作2つと違って、簡単に明かすことは出来ない。
しかし一日、とか、何年、とか、そういうレベルではなく、時は流れ、流れていく。

作品自体は上に書いた「啄木かるた」や、木下夕爾の詩集や、
花切手を集めたこと、や、そういうささやかで美しい日常が描かれているのだけど、
全体を読んで全体を見回したときに、そこに流れている時間の壮大さに
驚かされる。私は最後の方の彼女の何気ない一言、を読んで突然泣いてしまった。
そこに彼女の過ごした長い長い、果てしない時間をみて。圧倒されて。

そして要所に現れるしし座流星群の場面が更に壮大さを増します。
最後はまた、読んでいったらわかってしまうのだけど、そうなってくれて
ほんまによかった〜って感じの終わり方でした。壮大なハッピーエンド。

ネタをここでばらせないのが残念。とにかくいいので読んでください。

前作2つと比べると、とても落ち着いた、どちらかというと「私と円紫師匠」シリーズのような
文体になっていて、美しくて心地いいです。逆に美しすぎて物足りないくらい。
男性が書いているから(特に、北村薫が)ここまで美しい世界観が
出せるのだな、と思いました。
女性が書くとね、どんなに美しく見えても、なんか怖かったり残酷だったりするから。

解説の宮部みゆきとの対談もなかなか興味深いです。
| comments(0) | trackbacks(1) | 23:45 | category: 作家別・か行(北村薫) |
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「リセット」 北村薫
リセット新潮社このアイテムの詳細を見る   著者名 北村薫   発行年(西暦) 2003   出版者 新潮文庫   値段 500-600円   お薦め度 :☆☆☆☆☆ 私は北村薫の作品が好きだ。 「覆面作家」シリーズや「圓紫師匠」シリーズなどの日常生活的なミステリーも好
| 仙丈亭日乘 | 2005/07/01 6:27 PM |
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