本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「理由」宮部みゆき
理由
理由
  • 発売元: 朝日新聞社
  • 価格: ¥ 900
  • 発売日: 2002/08
  • 売上ランキング: 140589
  • おすすめ度 4


さて、宮部みゆきの直木賞受賞作。
「火車」では取れなくてこれで取れた、直木賞は時期を逃すよなあ、
なんて話が「文学賞メッタ斬り!」で出ていた気がします。
いや、もちろんこの作品も宮部さんらしくていい推理小説ですが、
私も「火車」に軍配を上げたいなあ。

最近じゃ映画にもなりました。映画はまだ未見ですが、
すさまじい数の登場人物みたいですね。

以下、文庫化されたころに読んで、当時書いた感想です。
話は一家4人惨殺事件。
この小説の新しいところは(宮部みゆきは新しい手法が好きだな)
事件が完全に終わってから、ある記者?の手記で事件の全容が明らかになるところにある。
記者の素性は全然明らかにされてないが、その語り手は既に事件を全て知っているのである。
で、何も知らない私たちに、あの手この手でそれを説明してくれる。
という斬新な小説だった。その語り手の出す持ち駒の順番が絶妙なため、
読み手の私たちはどんどんとその事件に引き込まれ、結末に驚くことになる。

で、テーマは「家族」であろう。ネタは一切ここでは明かさないから読んで欲しいが、
ここでは数え切れないほどの家族が、恐ろしくリアルな顔をして出てくる。
彼らの家族のありさまがいくつもいくつも淡々と語られる。
うまくいってる家族もあれば、些細なことで仲たがいしてる家族も多い。
そして、家族を知らない孤独な人たち。家族から逃げてる人たち。
でも、人間は一人では到底生きてはいけない、どんなに隠しても逃げても、
家族というものはついてまわるんだよ、ってことが身に染みる。

そして、事件を周辺からとことん取材した記者の手腕で、
ささやかな目撃者とか、管理人さんとか、そういう脇役達がきらりと光り、
一つの事件にこれだけもの人が関わりあっているというリアルさが加えられ、
それがこの事件を濃厚なものにしている。

推理小説としても人間ドラマとしても濃い小説だった。
| comments(0) | trackbacks(11) | 02:34 | category: 作家別・ま行(宮部みゆき) |
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| 月乃春水 ツキノ・ハルミ 本のこと あれこれ | 2005/08/11 5:32 AM |
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