本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「秘密。」
秘密。
秘密。
posted with 簡単リンクくん at 2005. 6.25
吉田 修一 / リクルートメディアファクトリー (2005.3)
通常24時間以内に発送します。


超豪華執筆陣である。私にとってはこのメンバーだけで即買ってしまう。
吉田修一、森絵都、佐藤正午、有栖川有栖、伊坂幸太郎、唯川恵、
小川洋子、堀江敏幸、北村薫、篠田節子、三浦しをん、阿部和重。12名。
彼らが雑誌に掲載した企画から本が生まれたらしい。
Aサイド、Bサイドと、一つの場面を別の2つの視点で描くという試み。

一篇はすごく短い。せいぜい3ページ。2つ合わせても6ページしかない。
その中でそれなりのドラマを展開しないといけないし、2つの視点をどこに
もっていくか、工夫をこらさないといけない。
これはなかなか作家としては挑戦というか、プロとしての腕が鳴る、って
感じなんじゃなかろうか、と思ってみたり。
全員がさすが、っていういい仕事をしている。一つ一つ短いけど、
その一瞬の時間に感じられる数名の人生の奥行き、といったものが
すっと現れてくるような、趣ある作品ばかりだった。
特に小川洋子氏の短編にそれを顕著に感じた。電話アーティストという不思議で
すてきな職業に就いていた祖母の思い出。

私は電車で一気に読んでしまったけど、お風呂にでも持ち込んで、
一つ一つをじっくり味わいたい、余韻に浸りたい、そんな本だ。

私も制約つき感想を述べてみようかな。全て1行ですませる。では以下。(敬称略)
吉田修一
喪失と誕生、が立ち現れるラストは哀しくも暖かかった。
森絵都
ちょっとしたひねりが効いていて、ラスト以降の展開を想像して嬉しくなる。
有栖川有栖
これだけ短いのにきちんとミステリになってる。さすがだ。
佐藤正午
携帯電話の音で呼び覚まされる二人の人生。同じ時間を過ごしている感じ、がいい。
小川洋子
今はもういない二人の人生が静かに現れ、静かで深い余韻に浸れる名編。
篠田節子
犬を題材に女の生き様が描かれ、作家の持ち味をしっかり生かした短編に。
堀江敏幸
黒電話を題材にノスタルジー溢れる一品。ABが対になりきれておらず残念。
唯川恵
全く正反対の二人がお茶を飲む。女の性がちらっと見えて怖い。正反対すぎるけど。
北村薫
タイトルがよく、ラストのひねりににやり、だがこの作家にしては物足りず。
伊坂幸太郎
友人二人の関係と人生が垣間見れる。短くても会話はやはり洗練され、さすが。
三浦しをん
軽いタッチで笑わせる。いかにも私たちが喋ってそうな会話、センスがいい。
阿部和重
クールな文体でいくかと思いきやラストはなんとも温かい。
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