本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「夜の蝉」北村薫
夜の蝉
夜の蝉
  • 発売元: 東京創元社
  • 価格: ¥ 504
  • 発売日: 1996/02
  • 売上ランキング: 35915
  • おすすめ度 4.5


円紫シリーズ2作目。<私>は20歳になりました。
3篇の短編を収録。

<私>はこのころ20歳女子大生、ですが、
自分もほのかな恋愛をしてみたり、
友達のほのかな恋愛をみてみたり、
姉の激しい恋愛をのぞきみたりして、
ほんの少し大人に近づいたかな、という感じ。

なんていうのかなあ、恋をしはじめたところの
まさにそのときのちょっと恥ずかしいような、 もどかしいような、そんな一瞬が
ものの見事にこの1冊に切り取られていて、 正直、恥ずかしかった。
一番思ったのが2作目「六月の花嫁」。江美ちゃんの気持ちを考えると、ね。

当時の自分の断片を少し思い出したりして、
いや、当時から<私>ほど美しい心は持っていないが、
自分が美しくないだけに、更にちょっと、恥ずかしいのですよ。
なんかそういうむずがゆい感覚のする一冊でした。
そういう意味ではノスタルジックですらある。

これ、大学生の時にも読んだと思うんだけど、
当時ははずかしいだなんて感想を持たなかった気がするのね。
年とった証拠なんかねえ、と思うと哀しくもありますが。

なんておかしな感想かいてますけど、これって本格ミステリなんですよー
ミステリとしてもとても面白いです。
2編目のオチに続くオチから見えてくる真実、
そして3編目、問題を解決するとみえてきた更なる「お化け」。
人間が作ってしまう「お化け」はそう簡単には解決できないのです。
これは結構怖かったですな。女として。

<私>と超美人の姉とのほんのちょっとした距離感、
それを埋めていく二人、そういうのを見ているのも切ないような、美しいような。
私は一人っ子だから姉妹の微妙な感じはよくわかりませんが、
とりあえず姉か妹が欲しかったな、なんてうっすらと思いました。

それにしても、<私>が本当に恋をしたらどうなるのか、
それを見てみたい気もしてしまうのは、私が意地悪だからでしょうか。
今みたいに美しいままでは、きっといられまいて。
「お化け」にもなるかもよ?
| comments(2) | trackbacks(5) | 00:25 | category: 作家別・か行(北村薫) |
コメント
こんばんは。
シリーズの中では一番まとまっていて好きな作品です。
<私>の恋、というとその後は『朝霧』ですかね。
「その後どうなんねん!」と突っ込みたくなりますが
そのへんは“言わぬが花”なのでしょう。
ところで
実はReading Batonなる企画モノを受け取ってしまいまして
細かいことは私のブログをみてほしいのですが
ざれこさんも答えてくれるとうれしいなぁと
お願いにあがったという次第でして・・・。
| deltasea | 2005/06/25 11:15 PM |

はじめまして。夜の蝉で検索してきました。
私も読んだの2回目ですが、なんか恥ずかしかったり
改めて良いなあと思ったりしました。
TBさせてください。
| Italy-dance | 2005/08/09 6:01 PM |

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夜の蝉*北村薫
☆☆☆・・「わたしと円紫さん」シリーズ第2弾。立て続けに読んでしまった。 今回も 朧夜の底・六月の花嫁・夜の蝉 という3編のオムニバス。 表題作 夜の蝉 では 突込みどころのないほど完璧に美しい5歳年上の姉との間に幼い頃からずっと引かれていた一線が崩された
| +++ こんな一冊 +++ | 2005/06/25 9:13 PM |
心には・・
『夜の蝉』北村薫著 平凡な日常に起こる、とりとめもない不思議。 たとえば本屋さんの本が「逆さま」に置かれていたり、 送ったはずの手紙が届かなかったりすること― そんな些細な不思議も、違う角度から光をあてて見ると 実は意外な<真実>が隠されていたり。 それ
| ペペロンチーノBARで思うこと<夏 | 2005/08/09 5:52 PM |
「夜の蝉」 北村薫
夜の蝉posted with 簡単リンクくん at 2005.10.19北村 薫著東京創元社 (1996.2)通常2-3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る
| 今日何読んだ?どうだった?? | 2005/10/27 8:45 PM |
北村薫「夜の蝉」読了
呼吸するように本を読む主人公の《私》を取り巻く女性たち――ふたりの友人,姉――を核に,ふと顔を覗かせた不可思議な事どもの内面にたゆたう論理性をすくいとって見せてくれる錦繍(きんしゅう)の三編.色あざやかに紡ぎ出された人間模様に綾なす巧妙な伏線が読後の
| モンキーターン | 2005/11/01 9:27 PM |
夜の蝉/北村薫
〈円紫と私〉シリーズ第2作で、第四十四回日本推理作家協会賞受賞作。今回は中編集の趣ですね。『空飛ぶ馬』から続けての再読。 夜の蝉北村 薫 東京創元社 1996-02売り上げランキング : 58090おすすめ平均 Amazonで詳しく見
| 黒猫の隠れ処 | 2006/10/18 2:44 PM |
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