本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「天国はまだ遠く」瀬尾まいこ
天国はまだ遠く
天国はまだ遠く
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2004/06/23
  • 売上ランキング: 18,048
  • おすすめ度 4.13


「図書館の神様」が書評サイトでとても評判の瀬尾まいこさん。
とりあえず最新刊から読んでみました。

自殺を試みて誰も知らない遠くの集落へきた千鶴、
自殺に失敗してしまい、そこの「民宿たむら」で
田村青年とのんびり過ごし、癒されていく。

たったそれだけの話で、自殺の原因もとんでもないことではなく、
仕事がうまくいかない、人間関係に疲れた、なんて
それやったら私でもとっくに死んでるわ、ってくらいありがちな理由。
主人公もわりとだめだめなところとか、まぬけなところとか、
わがままなところとかがあって、そこらへんが自分に通じるものがある。
その日常さゆえに、なんだか とてもしみこんでくる感覚があった。


ともに暮らす田村青年も別に説教するでもなく、
民宿の経営者として千鶴と接して、すごく普通に暮らしていく。

民宿で過ごす日々もとても日常。農業や漁業で生きる
田村青年とののんびりした日々、が平易な文章で淡々と描かれるのみ。
なのに最後1ページで不思議なことに、しんみりと涙がこぼれてしまった。

田村青年はそのど田舎の民宿で、農業や漁業を営みながら
一生を過ごすと決めている。そこに根付いて生きていく。
千鶴にはまだ居場所がない。彼女は居場所を探すが、
彼女の居場所は田村青年のいるこの場所にはない、それは確か。
だから彼女は、いったん人生をリセットして、そこから自分の居場所を探すのだ。

これを読んだ私まで、人生をいったんリセットして、
やり直せるかのような錯覚を覚える、
とりあえず明日は楽しく過ごそう、そんな風に思える、素敵な小説でした。
そしていつかは、私の居場所を見つけたいな。

瀬尾まいこさんは1974年大阪生まれ。私と同じ。
だからか、なんだかとても親しみやすい感覚。

文章にも凝ったところが全然なく、シンプルで、ただ、とても温かい。
春のひなたのような温かさ。そして、無理をしない程度に、前向き。
がんばらない程度に、前に進もうとする、その無理のないスタンスが好きです。
私みたいなずぼらな臆病者でも、重い腰をあげそうな。そういう小説でした。
| comments(11) | trackbacks(18) | 01:07 | category: 作家別・さ行(瀬尾まいこ) |
コメント
ざれこさん、こんにちは♪
>春のひなたのような温かさ。
そうですね〜瀬尾さんの作品に共通するものかもしれませんね。
私も千鶴のように些細なことで落ち込み、些細なことで復活するので(笑)この話は千鶴が羨ましい〜と思いながら読んでました
( ̄▽ ̄)ゞ
TBさせていただきました〜♪
| みかん | 2005/06/24 9:48 AM |

>春のひなたのような温かさ。
自分でこんないいこと書いてたのか〜、と嬉しくなった私でした(おい)
TBありがとうございました。
| ざれこ | 2005/06/25 10:49 AM |

ざれこさん おはようございま〜す♪ こちらでははじめまして。
何か大きな出来事が起こるわけではないけれど、しみじみといいなぁと思ったお話でした。
あ、私も1974年生まれで大阪育ちです(笑)

ここをあちこち見ていたんですが、積読が多そうな所と音楽&楽器をやっていたということでちょっと親近感が(*^^*)
TBさせていただきました。これからもよろしくお願いします(^^)
| 板栗香 | 2005/07/04 7:47 AM |

板栗香さん
お、同い年の大阪育ちだ。なんか嬉しいですねえ。
それに板栗香さんとこのブログとうちのブログ、基本デザインは一緒ですよね。
こちらはいじってるから違う風に見えるけど。気が合いますね(そうか?)
これからもよろしくお願いしますねー
| ざれこ | 2005/07/04 11:07 PM |

こんばんわ。

ざれこさんも書いてらっしゃるように、

瀬尾まいこのよさは

simple is best

ですよね。

TBさせてください。
| 元Tennis Boy | 2005/08/13 11:45 PM |

こんばんは。
自然体で頑張るというスタイルにとても惹かれました。
最後まで心地よく、読む側も自然体で読了できました。

T.B.させて頂きます!
| ☆すぅ☆ | 2005/10/07 4:42 AM |

はじめまして。coutacaと申します。
トラックバックさせていただきました。
以前からざれこさんの書評拝見していました。その本の印象をさらに豊かにしてくれるような、素敵な文章で、楽しみにしています。
| coutaca | 2005/12/17 10:06 PM |

coutacaさん
ありがとうございますー。そう言っていただけると励みになります。

| ざれこ | 2005/12/19 11:48 AM |

こんばんわ^^ TBさせていただきました。
居場所を探すこと・・・それは、あたしも昔から無意識に自分のテーマにしていた気がします。
千鶴が田村さんのところで見つけてしまったことは「ここは多分自分の居場所ではない」ってことだったけど、
そういう前進もあるんだなぁと思いました。
けど、決して悲しいことではないんですよね。
そういうところが瀬尾さんの本の素敵なところだと思います。
| 斎藤れい | 2006/06/27 8:53 PM |

斎藤れいさん
そうですねえ。誰しも居場所は欲しいわけですけど、千鶴が田村さんのところの居心地よさにしがみつかないで、しっかり気づいていったところは潔くて良かったですよね。私もどっかないかなあ、居場所。
| ざれこ | 2006/06/28 1:29 AM |

こんにちは 

トラックバックさせていただきました。
瀬尾さんは はじめて読んだ作家さんです。
優しくて温かい簡易が 好きになりました^^
| まつり花 | 2008/06/07 4:34 PM |

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