本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「巷説百物語」京極夏彦
巷説百物語
巷説百物語
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 660
  • 発売日: 2003/06
  • 売上ランキング: 49740
  • おすすめ度 4.5


お、面白い・・・・・こりゃたまらん。
百物語というと、こう、暗い部屋で何人も集まって、一人ずつ怪談をしていって、
っていうとにかく怖いイメージあるけど、だから私も怪談として読み始めたわけだけど、
全然そんなことありません、というかそれだけじゃありません、というか。

これを書いてしまったらいきなり第一話のネタバレになってしまうので恐縮だけど、
この短編集は、御行の又市一味が悪人を退治する、
極端にいってしまえば「必殺仕事人」系のシリーズなわけです。
時代はいつだろ?江戸だとは思うんだけど、時代背景は謎だなあ。

で、事件は一見怪談に聞こえる、死体が突然現れるとか、狸が化けて出てきたとか、
柳の木のたたりとか、そういうものが絡んでいそうな事件なんだけど、
ふたを開けてみるとどうってことはない、それは又市一味が完全に仕組んだことであったり、
よく調べてみると人間がしでかしたことであったり、なわけで。
一味はその謎を解いて見せたり、すごい手を使って悪人を騙したり。
最後の謎解きの場面では「おお、そういうことだったのか」と手を打つようなことばかり。
百物語を全国から集めて書物にしようとしている百介と一緒に、私も「ほう」と
言ってみたり、ネタをきいては虚しくなったりするわけで。

単にトリック云々だけとってみても充分上質で読ませてくれるんだけど、
妖怪ものにみせかけて、「人間の業」がいかに深くおどろおどろしいもんか、
身に染みる内容でもある。もう、とんでもないことをしでかす人間どもがうようよ出てきて、
はっきり言って妖怪や魑魅魍魎の方がなんぼかかわいいで、という内容ばかりで、
ほんま百介と一緒にため息、である。
狂人、と言ってしまえばそれまでな人々ばかりなんだけど、
この現代、狂人と言っておかしくない人々がうようよ犯罪犯してる。
その人間の「業」を誰も「まさかそんなことないやろ」って笑えないのだ。

人の心の奥底には魑魅魍魎が住んでいる。
私の心にはどんなのが住んでるんだろう。醜いだろうな。一生、会いたくはない。

いやあほんま面白いです。時代がかった文体も流れがあって素晴らしい。
短編で似たようなメンバーが出てきますが、どれもこれもアプローチが違って
飽きずに読ませます。さすが京極夏彦。とうなった本でした。
くそ長い京極堂シリーズも本気でお薦めですが、
(といいつつ私は3作目で止まってます。4作目、分厚すぎ・・・・・)
それと似た点もあり(妖怪変化と思わせておいて立派なミステリだと言う点)
違う点は時代がかってるってことでしょうか。京極入門編にいいような気がするなー。
| comments(2) | trackbacks(4) | 02:04 | category: 作家別・か行(京極夏彦) |
コメント
あれ,レイアウトが変わりましたね.あー,重かったのですか?それとも僕のブラウザがぶっ壊れたのか.なにはともあれ,トラックバックさせていただきました.また寄らせていただきます.それでは.
| guerrero | 2005/06/23 2:30 AM |

百物語、私も大好きです〜。京極堂シリーズも大好きです〜。(といいつつシリーズ4作目以降、手が止まってますが)
興奮して、続と巷説を立て続けに読んじゃいましたよ。「嗤う伊右衛門」にも登場する又市さんも、素直に騙されちゃう百介さんも他の登場人物も魅力的です。流石京極夏彦!特に、巷説は「上手い!」と唸らせられました。
私も、書いてみよう〜!
| 蝶蝶雲 | 2005/06/23 9:34 AM |

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