本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「狐罠」北森鴻
狐罠
狐罠
posted with 簡単リンクくん at 2005. 6.16
北森 鴻講談社 (2000.5)通常2〜3日以内に発送します。


読み応えあるミステリーでした。これでこの作家にはまった私です。
なんでも鑑定団のおかげですっかり大衆化された「骨董」の世界、ですが
プロの骨董屋の世界のどろどろしいこと。
特殊な世界の内幕もみれて、知識欲も満足、そしてミステリでも満足。
二度美味しいですわ。

旗師、という店舗をもたない骨董ブローカーみたいな仕事をしている宇佐見陶子。
(名前がまた骨董くさいよねえ)30すぎて美人でやり手、な魅力的な主人公、
ある日同じ骨董屋に贋作をつかまされる。その単純なトリックも見破れなかった
自分を責めつつ、その骨董屋、橘を同じ目にあわせてやろうとする、のだが。
まあその状況で殺人も起こって、彼女は事件に巻き込まれるわけで。

ミステリ的には王道パターンというか、ありがちな感じなんだけど、
骨董品についての解説部分、そして贋作を作ってしまうことに対しての
陶子の葛藤、贋作者の描写、そこらへんが読み応えたっぷりだった。

これを読んで贋作についていろいろ考えてしまったけど、
ここに出てくる贋作者は、まあ悪気はあるかないかはともかく、
皆全身全霊をかけて贋作を作ってて、そのモノに「時代」の流れを
つける技術、執念というのはただ事ではない。
そういう贋作者によって、時の流れすら再現されてしまったモノ、は
多分とてもとても美しいと思うのだ。
本物の価値も何もわからないしモノを見る目もないけどさ、
私はそこにも真の芸術がある気がした。
贋作の何が悪いの、ってくらい肩入れしてしまう自分がいた。

陶子もその「贋作の魔力」にどんどん引き寄せられていく。
その過程もなかなか面白く読めた。

人物達が皆魅力的で、主役もいいけど二人の刑事もいい。
このシリーズ、「狐闇」という続編が、最近文庫化されました。当然購入。

ちなみに、作品中に出てきた世界的に有名な贋作者、
アルチェオ・ドッセナ、ファン・メーヘレン(フェルメールの贋作者として有名らしい)、
更に一番うそ臭かった(というよりドラマティックだった)フェルナン・ルグロまで、
実在したようです。いやあ、びっくり。どこの世界にもいろんなドラマがあるねえ。
以下のサイトに詳しいです。勝手にリンクすいません。
真贋のはざま
| comments(1) | trackbacks(7) | 01:59 | category: 作家別・か行(北森鴻) |
コメント
はじめまして。こんにちは^^
「Node」のmiwaと申します。
コメント&TBありがとうございました。

私も、こちらの本を買いました。
まだ読んでいないのですが、いまから楽しみです!
蓮丈那智シリーズと、この宇佐見陶子のシリーズも
目が話せませんね。
それでは。失礼いたします。
| miwa | 2005/06/16 10:05 AM |

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再掲 ◎「狐罠」 北森鴻 講談社文庫 743円 2000/5
評者はあまりテレビを観ないと以前より書いてはいるが、まったく観ないわけではない。たまにお茶の間で飲酒したりメシ食らったりしていて、娘たちが特にテレビやビデオを観ようとしなければ、自分でチャンネルを合わせたりもする。そして、そういう時間帯に放映していれ
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狐罠
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| 読書の時間 | 2007/01/09 2:57 AM |
えっ?これは凄い!
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