本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「インストール」綿矢りさ
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  • 発売元: 河出書房新社
  • 価格: ¥ 1,050
  • 発売日: 2001/11
  • 売上ランキング: 30,312


友人の忠告で、ある日突然登校拒否になった女子高生の朝子、
近所の少年に壊れたパソコンをあげたら少年はそれをなおしてしまい、
更に風俗チャットのバイトを紹介される・・

「蹴りたい背中」から先に読んでしまったもので、
あとから読むこの話を少し未熟に感じてしまいました。
それだけこの作家が成長したってことだよねえ。
作家の成長がつぶさにみられる、変な時代になりました。
というか私が年をとってしまっただけだろうか。

何者にでもなれる可能性がある、でも結局何者にもなれない、こともわかっている。
そんな微妙な年頃の高校生の心理。
現役が書いてるんだからこれがリアルなんだな。なんて思った。
登校拒否もある日突然するし、私たちが想像するような深刻な理由なんてない。
それが、それだけに、なんだかうそっぽくないんだよな。
そんなもんだろ、って思ってしまうんだよな。

そういや私も意味もなく学校を休みがちで、先生は深刻がってたこともあったが、
単に寝坊したら休んでただけで、別に学校行きたくないとかなかったからなあ。
って、こんな私レベルで語られたらこの小説も気の毒だな。

そんな微妙な年頃の彼女が漠然と感じる将来への不安、孤独。
そんなことも感じていたような気がする、なんて漠然と思い出す。

風俗嬢のふりをしてチャットをやるうちに、
セックスに必死になる大人達のばかばかしさを
達観してしまう主人公と少年。その姿をみてなんだか虚しくなる私たち。
ここにある、オトナの世界に対する
「たいしたことないじゃん、つまんないじゃん」的諦め、
でもオトナたちを見る彼女達の目線は温かい。これはどうしたことだ。
ぽーんと俯瞰してオトナ世界を眺めている彼らに、
「蹴りたい背中」に通じる、著者の年に似合わない老成ぶりを感じ、
私は少し驚いてしまった。醒めてるんだけど温かい。なんだか不思議だ。

それにしてもこんな賢い小学生はいないと思うな。
パソコン直すってのはともかく、
風俗嬢のふりしてチャット出来るネカマの少年なんて、
こんなに想像力豊かな少年がいたらすごいよなあ。
それとも、子どもだからこそ出せる想像力ってのは、あるのかもしれない。
少年と朝子の奇妙な友情もいい感じ。
| comments(1) | trackbacks(15) | 04:01 | category: 作家別・ら、わ行(綿矢りさ) |
コメント
TBありがとうございました。
今、ちょうど「蹴りたい背中」読んでます。
僕としては、「インストール」にせよ、「蹴りたい背中」にせよ、分量がないので、ちと不満でした。
才能はあると思うんですけど…あとは、成長を暖かく見守る、ということでしょうか。
| リスケ | 2005/06/17 12:20 PM |

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