本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「四十回のまばたき」重松清
四十回のまばたき
重松 清 / 重松 清著
幻冬舎 (2000.8)
通常2〜3日以内に発送します。


もうすぐ30歳になる売れない翻訳家、圭司は、妻を事故で亡くし
それでも泣けない日々を送っていた。ある日妻の妹がやってきて
おなかの赤ちゃんの家族になってくれという。
妹は冬になると「冬眠」してしまう奇病だった・・・



一言で言うと、重松清らしくない。若手の無名作家が書いた、”って感じ”。
まあ、若いころの作品らしいから「若手」なんだけど。
「重松清が幻冬舎で文庫を出すとこうなるのか、なるほど」と
私は妙なところで納得したが、誰もわかってくれないかな、この感じは。

重松作品で最大の魅力であるところの「リアリティ」がこの作品には、ない。
感情が欠落している主人公とか、冬眠しちゃうけど普段はテンション高い妹とか、
後に主人公が出会うアメリカの作家(”セイウチ”そっくりでむっちゃ乱暴)とか、
主要人物にどうも入り込めない。その入り込めない感じ、が
物語全体の「欠落感」を作っているとでも言えばいいフォローになるかしら。
唯一”って感じ”が口癖という編集者だけ妙なリアリティがあった。
いるよね、そういう口癖の人。私も使っちゃうし。

それでもなんか、孤独だった人たちが手探りで家族を作っていく、
そういう中での迷いとか焦燥とかは私にもなんだか伝わってきた。
30歳を迎える人が、人間として傾いたバランスを安定させていくというか、
そういう過程はなんか、わかる。私も今28歳で真っ最中だしね。
もういい大人なのに、って思うけど、私たちの世代もまだまだ、子供なのです。

でも重松清はこの作品から読みはじめちゃいけないし、
これから読み始めてしまった人も、これだけで終わらないでいて欲しいな、と思う。

あ、ちなみに、「冬眠」する病気というのはあるそうで、
季節性鬱病(略してSAD)というらしい。
だからこの作品は、別にファンタジーではないので。念のため。
| comments(1) | trackbacks(2) | 13:54 | category: 作家別・さ行(重松清) |
コメント
どうも、はじめまして。
本を読む人々。でよくみさせてもらってます。

最近この本読んだのでTBさせてもらいました。
ざれこさんのちょっと辛口で素直な感想をみて、面白いなと。

シゲマツの最大の魅力は「リアリティ」というのもちょっとへぇ〜リアリティなんだって感じ。
違う視点で面白い。

また、ちょこちょこよらせてもらいます。
| 太陽 | 2007/02/16 1:47 AM |

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重松清【四十回のまばたき】
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