本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「プレゼント」若竹七海
プレゼント
プレゼント
  • 発売元: 中央公論社
  • 価格: ¥ 740
  • 発売日: 1998/12
  • 売上ランキング: 46,341
  • おすすめ度 4.5


先日読んだ「依頼人は死んだ」の主人公、葉村晶のフリーター時代の物語と、
娘のチャリンコを乗り回す小林警部補が遭遇する事件を交互に描いた
連作短編推理小説集。

うわー、面白いわこれは。

「依頼人は死んだ」より推理色が濃くて、葉村晶はますますクール。
このクールな女トラブルメーカーにはすっかり心奪われてしまいましたわ。
私もここまでクールにカッコいい女になれたらなあ。
でもトラブルは舞い込むわ嫌われるわでろくなことないけどさ。
葉村編では、推理の妙もさることながら、彼女の人物的魅力、
そして彼女が醒めた目でみる人物達のおぞましい姿、なんかが
垣間見えるのが面白く、人間ドラマとして興味深かった。
更に事件は寒々しいことが多くて、「ロバの穴」なんかほんまぞっとしながら読んだし。

もう一人の主役小林警部補が扱う事件は、
チャリンコ乗ってくるところからしてそうなんだけど、どうも「古畑任三郎」を
彷彿とさせる。最初にまず犯人が完全犯罪をやらかしてみせて、
その完全ぶりに油断したところに警部補はのんびりと現れ
鈍いんだか鋭いんだかわからないやりとりで、最後の一行で事件は解決。
「冬物語」なんかほぼ完璧にそれで、にやりとさせられました。
まあ、古畑に限らず、刑事コロンボもそうなんだけど、
多分それは古典的な推理小説の手法だと思うんだが、
持ち駒を読者に全て提示したとみせかけて、最後の一つの盲点を
ぐっとついてみせ、犯人も読者も驚かせて終わる。醍醐味だよねえ。

と、どちらも褒めまくり、私は全ての短編をぞくぞくしながら読みました。
うん、「ぞくぞくする」がこの作家を示す一番いい表現かもしれない。

最後の短編でやっと葉村晶と小林警部補は出会うんだけど、
最後の話だけなんだか妙にひっかかるというか、後味悪いというか、
なんとなくそれが「依頼人は死んだ」のどす黒さにつながってるような気がして、
また「依頼人は死んだ」を読み返しそうになる私。すっかり葉村ファンです。

っていうか、主役2人の気になる邂逅がえらいあっさりしてるのもなんか好き。

ということで、さて若竹七海でも読むか、って人は
葉村晶シリーズを薦めときます。まずこれから入ったらどうかな。
| comments(4) | trackbacks(6) | 01:10 | category: 作家別・ら、わ行(若竹七海) |
コメント
おはようございますざれこさん。

とうとう全部読んじゃいました「葉村シリーズ」(寂涙)
TBさせてくださいね。

追記:ミタライやっちゃってイイすか?
| アトマツ | 2005/09/21 8:15 AM |

追記です。
ウチのブログで問い合わせがあったので・・・質問です。例の企画(私の好きな探偵ベスト)って刑事はアリすか?
| アトマツ | 2005/09/21 8:18 AM |

やっと読みました!遅いわ!>わたし。
読んで楽しい気分になるわけじゃないのに、こんなに好きになるのはなぜでしょう…。
| chiekoa | 2005/10/25 5:05 PM |

ちえこあさん
次は「依頼人が死んだ」ですね。私イチオシの若竹本です。後味は良くないです。つうかこのシリーズどんどん後味悪くなっていきますから(笑)お気をつけて。
| ざれこ | 2005/10/26 12:39 AM |

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「プレゼント」若竹七海
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読了:若竹七海『プレゼント』
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| Love Books | 2005/06/23 1:09 PM |
『プレゼント』題名ほど甘くなし。
プレゼント 若竹七海著 葉村晶シリーズ。 他の作品(依頼人は死んだ、悪いうさぎ)からすると、 番外編のような扱いか。探偵以前の晶が楽しめる。 おなじみ葉村晶の4編、風変わりな小林警部補の3編、そして二人の話1編の連作集。 ああ、相変わらずクールで暗くて
| 読書の時間 | 2005/07/09 1:35 AM |
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| + ChiekoaLibrary + | 2005/10/25 5:03 PM |
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 電話相談や興信所など、職を転々とするフリーターの葉村晶。娘に借りたピンクの自転車で現場へと駆けつける小林警部補。二人がそれぞれに出会う悲しい事件とは・・・? とにかく大好きな若竹七海さんの作品です。 人間の持つ、恐ろしく醜い感情をさらっと書いてしま
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