本を読む女。改訂版

関西弁でだらだらと本の感想書いてます。
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# 「GO」金城一紀
GO
GO
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 470
  • 発売日: 2003/03
  • 売上ランキング: 4,739
  • おすすめ度 4.2


以前、在日韓国人(か朝鮮人か知らない、聞いてもない)の知り合いがいた。
こてこての大阪弁で、明るくて面白くて人気者だった。
私は一回約束をすっぽかされてちょっと苦手になったが、
別に在日だからどうの、とかは全くなかった。
たまに意地悪な人が 差別的な発言
(というより「差別されてる?」的質問だったような)をしてても、
何いうてんのこの人、って思っていた。


でもこの本を読んで気づいたのだが、なんか私はこんな風に思っていたような気がする。
「在日韓国人やのに、こってこての大阪弁やなあ」
今思えば、「やのに」が既におかしいんやね。大阪で生まれ育ってんだから、
こてこての大阪弁に決まっている。
この本を読んで「在日」という表現が既に差別であることにも気がついた。

無自覚な私。この本を読んで、私は恥ずかしかった。無自覚は罪だ。

「在日」、である主人公はずっと闘っている。とんがっている。
でも、明確な「国」の意識をもって闘っている彼はカッコイイ。
誰か、日本人の友達が吐く台詞で「俺は日本人でぬくぬくと育ってるから
お前にはかなわない」みたいな台詞があって、彼にしてみれば
「何言うてんねんお前ら」な気分やと思うが、私にはその気持ちがわかる。
何も知らずに生きてきた自分が恥ずかしい。

突然現れた魅力的な女の子が、彼が在日とわかったとたんに
ステレオタイプな反応をしたのには本気でがっかりしたけど、
自分がそうだったらどうだったろう、って考えてみたりした。
・・・全く実感がない。無自覚って、やっぱり性質が悪い。

そんな「無自覚」な差別、明確な差別を彼らは戦い抜いていく。

オヤジさんがまたいいのよ。くそオヤジでさ。
反抗して警察にしょっぴかれそうになった彼を
警察署でぼっこぼこに殴って「お父さんもうわかりましたから止めて下さい」と
警官に言わしめて「俺のおかげで釈放や」とよれよれの息子に言う。
最強や。そのオヤジさんが、彼に「人生を闘うこと」を教えた。
彼は誰にも負けないけど、オヤジさんにはかなわない。
彼の滑稽な家族には大笑いしながら、いいなあと思った。

文体はむしろ今っぽいスピード感で軽くぐいぐい読めるが、
重い本やったと私は思う。
| comments(10) | trackbacks(18) | 02:16 | category: 作家別・か行(金城一紀) |
コメント
はじめまして!
先日はTBをありがとうございました。
こちらからもさせて頂いたんですが、間違えちゃったんです。
本を読んだ後に映画も観たんですけど、そっちからTBしちゃって…
ごめんなさい。削除して頂いて結構ですので!
よろしくお願いいたします。

>無自覚は罪だ。
本当にそうですよね。
これと一緒に「コリアン世界の旅」(野村進)も読んで
ほんとそう思いました…
「知らない」で済まされるのは、子供のうちだけですね。(苦笑)

ざれこさん、大阪なんですねー。私もです。お仲間♪
| 四季 | 2005/06/02 5:19 AM |

TBさせていただきます。
そうですね、無自覚ってよくないですね。
この1冊でかなり勉強になりました。
| しろふじ | 2005/07/18 11:14 PM |

コメントありがとうございます。
私の限られた想像力では思いも寄らない世界を見せられた気分でした。
軽い文体だけど頭がつんとやられた、みたいな・・・
金城さんの本はそういう面が多くて軽いけどあなどれません?
また他のも読んでみてください。「フライ、ダディ、フライ」がお薦めです。
| ざれこ | 2005/07/19 1:25 AM |

はじめまして^^
TBさせていただきます。

私は友人に『在日』の方はいません。
でも、この小説を読んで、すこし考えさせられました。
本人達は毎日戦ってるのに、日本人が『在日』をイマイチわかってない。
なんか複雑な気持になります。
| すも | 2005/08/19 10:39 PM |

これ、スピード感もあって読んでいておもしろかったのですが、それだけじゃなくて、色々考えてしまいました。軽やかなのに重い本でした。
| june | 2006/04/22 11:17 PM |

juneさん
そうですね、どの作品も金城さんは軽くて重いんですが、特に重みがのしかかる本でしたね。でもこのオヤジさんは好きだったなあ。笑えますよね・・・
| ざれこ | 2006/04/23 3:16 AM |

「若い愛」と「在日の現実」がすっごく分かりました。コリアンジャパニーズの金城さんだからこそ描けるストーリーなんじゃないでしょうか?日本人とか韓国人とか人種的には全く同じ、モンゴロイドなんて南米にだっている。差別を生むのは人種じゃなくて、くだらない国家間の軋轢とか無知の人間の愚かさなんだ!って確認しました。
 若い二人の愛はどうなっちゃうんだろうと心配になりましたが最後の校庭でのやりとりにはときめきましたね。  いい話です。
 ・・・そういえば杉原(李)ってゾンビーズの朴かと最初思いました。ってか通ってる学校は同じですよね?
| カジマ | 2006/11/20 12:10 AM |

カジマさん
え、学校、ゾンビーズとおんなじでした?気になって少しぱらぱら読み返してみましたがわからなかった・・・。残念。またじっくり読んでみます。

でもほんま、いろいろ考えさせられました。深く深刻な話を笑えるエンタメにしてなおかつ考えさせる、金城さんのそんなスタンス、なかなかまねできないと思います。いい話でしたねー。

| ざれこ | 2006/11/22 2:09 AM |

こんにちは。
自分は大阪の真ん中に住んでいるので、わりと周りに在日の方がいます。
同じ小学校にもいたし、同業者にもいます。
仕事の関係上、人権の講習もよく受けさせられますが、やっぱり差別は根強く残ってます。
今回読んでみて、あらためていろんな事を考えました。

それら問題とは別に、作品は面白かったです!
| しんちゃん | 2007/10/12 5:19 PM |

在日がなぜ嫌われているか差別されているか理由も知らずに、差別はいけないと騒いでいる人こそ無自覚な気がします。
朝鮮進駐軍も知らないのでしょうね。
戦後の混乱時、日本人が朝鮮人から略奪や強姦、殺人にあったことすら知らないのでしょうね。
| あれれ | 2013/03/28 10:04 AM |

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